洗剤にはアルカリ性や酸性など種類があり、汚れの特性に合わせて洗剤を選ぶことが大切です。

この記事では洗剤の液性の種類や特徴、メリット、使用時の注意点を解説します。

洗剤の液性

まずは洗剤の液性の種類から紹介します。

  • 酸性
  • 弱酸性
  • 中性
  • 弱アルカリ性
  • アルカリ性

洗剤の種類は5種類に分類されます。それぞれの特徴を紹介します。

1.酸性

「水素イオン濃度指数」を表すpH値が6未満の性質を持つ液性洗剤が「酸性」です。

酸性洗剤は水汚れに強い点や、匂いへの効果が期待できる特徴から、キッチン・水回りで重宝されています。ちなみに、工業分野では金属の錆や酸化膜除去などに使用されているなど、活躍の幅が広い洗剤です。

一方で洗浄力が強い分、素材や肌への負担が大きいです。使用する際には取扱説明書を読み、ゴム手袋をつけましょう。

酸性洗剤として有名なクエン酸についてはこちらの記事にて詳しく解説しています。気になるぜひは是非併せてご覧ください。

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2.弱酸性

先ほどpH値が6未満は酸性だとお伝えしましたが、その中でも3以下を酸性洗剤、3~6が弱酸性洗剤に分類されています。

酸性は拭き残しがあると錆につながる点や、皮膚に負担を与えやすいデメリットがあります。弱酸性の洗浄力は酸性に比べると落ちますが、このようなリスクを避けたい場合に有効です。

3.中性

酸性とアルカリ性の中間に位置していることから「中性」に分類されている洗剤は、特徴も酸性とアルカリ性の中間にあります。

酸性やアルカリ性に比べると洗浄力は劣るものの肌や素材にやさしく、肌荒れを気にしている方や、素材を傷つけたくない際に有効な洗剤です。

4.弱アルカリ性

pH値8~11が「弱アルカリ性」に分類されます。

アルカリ性は肌や素材への負担が強いですが、弱アルカリ性はこのデメリットが緩和されています。ご家庭のお掃除で頻繁に使用される重曹は、弱アルカリ性に分類されます。

5.アルカリ性

pH値11~14はアルカリ性に分類されます。酸性の汚れに強い特徴を持ち、主に油汚れ落としに有効です。

代表的なアルカリ性洗剤として挙げられるのが、アルカリ電解水とセスキ炭酸ソーダです。弱アルカリ性の重曹よりも洗浄力が高いため、重曹で落としきれなかった頑固な汚れにおすすめです。

ただし、アルミ素材に使用すると変色を招く可能性がある点、木材・畳など素材によっては使用できないものがある点には注意が必要です。

また、人間の肌にも負担を与えるため、使用する際には取扱説明書を読み、合成ゴム手袋をつけて作業しましょう。

その他の洗剤の種類

実は、洗剤の種類は酸性・中性・アルカリ性だけではありません。他にもいくつか洗剤があるので紹介します。

合成洗剤

合成界面活性剤を使用している洗剤の総称です。粉末状のものもあれば、液体のものなど合成界面活性剤も多種多様です。

他にも酵素、蛍光増白剤が使用されているものもありますが、合成界面活性剤を使用したタイプが多いです。

合成界面活性剤の特徴は、比較的安価で高い洗浄力があることです。一方で、石油・油脂を原料としていることから環境負荷や肌への負担が大きい側面もあります。

エコ洗剤

エコ、つまり「環境に良い」とされる洗剤です。植物由来の成分で作られており、環境にも人体にもやさしいとされています。

一方で、洗浄力が比較的低いことや高価であることがデメリットです。

漂白剤

漂白剤は塩素の力で色を落とす点が特徴です。

他の洗剤では落としにくい黄ばみ・汚れに効果を発揮する点がメリットですが、汚れ以外の色まで落としてしまう点がデメリットです。

また、人体に対して腐食性があるため、刺激を覚えたり、吸入することで肺水腫を起こすリスクもあります。

洗浄剤

洗浄剤とは、酸やアルカリなど化学の力で汚れを落とす役割があります。この記事で紹介したアルカリ性・酸性が含まれているものは厳密には「洗浄剤」です。

洗剤と洗浄剤は厳密には異なるもので、界面活性剤が含まれているものを洗剤、それ以外を洗浄剤と呼びます。

酸性洗剤の特徴

酸性洗剤は、pHが3~6を弱酸性、3未満を酸性と分類します。アルカリ性の汚れやニオイ消しに強い点が特徴です。

酸性洗剤はどんな汚れに強い?

酸性洗剤はアルカリ性の汚れに強いです。

尿石や水垢、せっけんカスなどの汚れに高い効果が期待できることから、トイレや浴室、キッチン、洗面所など水回りの汚れに有効です。

また、酸性洗剤は匂いにも効果が期待できます。たばこやアンモニア、生ごみなどの匂いも消すことができるため、やはりキッチンやトイレなどの水回り、喫煙者であれば灰皿にも効果が期待できます。消臭剤としても活用されています。

酸性洗剤の中で人気なのがクエン酸です。水回りのお掃除だけでなく、食器洗いで使用されることもあります。水垢にアプローチでき、素材を傷つけにくいです。

使用する際の注意点

酸性洗剤を使用する際には以下3点に注意します。

  1. 肌への負担
  2. 塩素系洗剤を混ぜない
  3. 拭き残しに気を付ける

まずは肌への負担です。特に敏感肌の場合、酸性洗剤を使用することでかゆみや刺激、肌荒れのリスクが懸念されます。

そのため、酸性洗剤を使用する場合は、ゴム手袋を使用するなど、直接肌に触れないよう気を付けましょう。

次に、絶対に塩素系洗剤と併用してはいけません。酸素と塩素が混ざることで有毒ガスが発生します。命の危険もあるため必ず覚えておきましょう。

最後に、拭き残しに気を付ける必要があります。拭き残しが錆びにつながることがあります。

中性洗剤の特徴

酸とアルカリの中間に位置している中性洗剤は、酸とアルカリのそれぞれの良い面を持っています。しかし、洗浄力はさほど高くありません。

どんな汚れに有効?

軽度の汚れであれば広く使用できる点が強みです。

食卓では食品かす、調味料こぼしに使用できます。他にも、床や壁・扉の埃や皮脂汚れ、窓ガラスの埃や手あか、食器の油汚れや食品汚れなど、幅広く活躍してくれます。

洗浄力が低いため素材や肌を傷つけにくく、安心して使用できる点もメリットです。

大切な衣服や貴重品の汚れには、まずは中性洗剤で様子を見るのもおすすめです。中性洗剤で落ちない汚れは、汚れの特性を踏まえて酸性・アルカリ性洗剤を選択するとよいでしょう。

使用する際の注意点

頑固な汚れやこびりついてしまった汚れは、中性洗剤だけで落とすことは難しいです。

「日常的な掃除は中性洗剤、頑固な汚れは他の洗剤」と、使い分けがおすすめです。

アルカリ洗剤の特徴

アルカリ性洗剤とは、pH値が8以上のものです。その中でも8~11が弱アルカリ性、11以上がアルカリ性に分類されています。

アルカリ性洗剤は油汚れに強いことが特徴です。

どんな汚れに有効?

家庭内の汚れの8割は酸性とされています。

例えば油汚れ、カビ、焦げ付き、ぬめり、皮脂汚れの掃除を得意としています。キッチンや水回りはもちろん、お風呂や洗濯機、レンジフード、ガスコンロなど活躍の範囲は広いです。

アルカリ性洗剤は頑固な汚れにも強く、アルカリ性洗剤を塗布してしばらく放置することで、汚れを軟化させます。その後、汚れを「スルリ」と落とすことができます。

重曹などの弱アルカリ性は、アルカリ性より洗浄力が劣るものの、アルカリ性同様の特徴を持っています。

使用する際の注意点

アルカリ性洗剤で注意する点は以下3つです。

  1. 肌への負担
  2. 使用する素材に注意
  3. 他の洗剤と混ぜない

アルカリ性も酸性と同様に肌への負担があります。使用する際にはゴム手袋を着用するなど、直接手を触れないようにしましょう。

次に、使用する素材に注意が必要です。アルミ素材や木製、畳、さらには水拭きできないものや柔らかい素材のもの、フローリングや家具、塗装面には使用できません。使用した場合、素材を痛めてしまう可能性があります。

最後に、他の洗剤と混ぜてはいけません。中和反応による発熱、猛毒ガスを発生させる可能性があります。

そのため、保管場所にも配慮しましょう。何らかのアクシデントで他の洗剤・溶液と混ざると、大きな事故につながりかねません。

弊社アールクリーニングのクリーニングでは、洗剤の知識が豊富なことはもちろん、汚れに合わせて適切な洗剤を使用し効率的に汚れを落とします。

また、お伺いさせていただくのは厳しい研修をクリアしたスタッフのみ。安心しておそうじお任せください。

まとめ

今回は洗剤の液性について解説しました。

洗剤の液性によって特徴や強み・注意点が異なります。それぞれの洗剤・洗浄剤の特徴を理解し使い分けることで、あらゆる汚れをキレイにすることができます。

是非大掃除の際に汚れや場所に合わせて様々な洗剤を使い分けてみてください。