シロアリは見かけたらすぐに対策しなければいけない害虫です。
シロアリの駆除は専門業者に依頼するのがおすすめですが、自分でできる対処方法もあります。

本記事では、シロアリを駆除する方法や注意点を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。

シロアリを自分で駆除する方法

自分で駆除する流れは以下のとおりです。

  1. シロアリによる被害場所を把握する
  2. シロアリの種類を確認する
  3. 必要な物を準備する
  4. 掃除機で応急処置をする
  5. 市販の専用薬剤を使用する

シロアリ駆除は自分でも可能ですが、シロアリの種類に合わせた薬剤の選択やシロアリの生態に関する知識が必要です。
ここでは、シロアリを自分で駆除する方法を解説します。

シロアリによる被害場所を把握する

まずはシロアリによる被害場所を正確に把握しましょう。
シロアリは、一目見るだけではわかりにくい場所で繁殖しています。

例えば、木材の表面にある小さな穴や、壁紙の波打ちなどが挙げられます。
家の周辺で羽の生えたシロアリが発生したり、巣と餌場の間を移動するときに使用する「アリ道」があると、巣が近くにある証拠です。
シロアリの被害を受けているサインを見逃さないためにも、家の隅々まで調べる必要があります

また、湿気の多い場所や地面に接する木材、換気の悪い場所には要注意です。
シロアリにとって理想的な生息環境なため、床下や屋根裏、窓枠、戸枠の周辺なども点検が必要です。

シロアリの種類を確認

被害場所を特定したら、次はシロアリの種類を特定しましょう。

シロアリにはさまざまな種類があり、種類によって駆除方法も異なるため、どの種類のシロアリか調べる必要があります。
一般的なシロアリは、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。

ヤマトシロアリは、小さな羽アリが大量に発生したり、水回りの床下に巣を作るのが特徴です。
本州から九州にかけて広く分布しており、4〜5月の昼頃に羽アリが現れる傾向にあります。

一方で、イエシロアリは繁殖力が強く、1つのコロニーに数万〜数百万のシロアリが生息しているのが特徴です。
主に暖かい西日本エリアに分布しており、夏場の6〜7月、夕方から夜にかけて現れる傾向にあります。

シロアリと並んで被害の多いハチとネズミの駆除に関しては、こちらの記事にて紹介しております。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。

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必要な物を準備する

シロアリ駆除では、床下など暗く汚れた環境で作業を行うため、懐中電灯などの準備が必要です。

  • 作業服(長袖長ズボン)
  • マスク
  • 手袋
  • ゴーグル
  • 懐中電灯
  • 掃除機
  • スマートフォン

床下など人目につかない場所に入るときには、何かあった際にすぐ助けを呼べるようにスマートフォンを携帯しておきましょう。

掃除機で応急処置をする

シロアリを見つけた際には、掃除機を使った応急処置を行いましょう。
掃除機ではシロアリが見える範囲しか効果がありませんが、被害の拡大を防ぐ応急処置としては有効な手段です。

掃除機で吸引する際は、細かいノズルでシロアリが集まっている場所や、飛び出しているシロアリを吸い取りましょう。
吸い取ったシロアリは、そのままゴミとして処理して問題ないです。

市販の専用薬剤の仕様

シロアリを駆除するためには、市販の専用薬剤を使用しましょう。
専用薬剤には種類があり、スプレータイプやベイト剤などが挙げられます。
専用薬剤は、シロアリの特性を考慮して開発されているため、高い駆除効果が期待できます。

スプレータイプは、直接シロアリの巣やアリ道に噴射すると即効性を発揮する専用薬剤です。

一方で、ベイト剤はシロアリが餌として持ち帰らせることで、巣全体に効果を拡散させて駆除します。

シロアリを自分で駆除は難しい

専門知識のない状態で、シロアリを完全に駆除するのは難しいです。
シロアリ駆除が難しい理由は以下のとおりです。

けがや事故につながる恐れがある

シロアリの巣は、主に床下や家の基礎部分などの暗くて狭い場所に作られます。
作業環境が悪いため、転倒や落下によるけがや事故につながる可能性があります。
さらには、配管などを壊して二次災害にもなりかねません。

シロアリ駆除に使う薬剤には、人体やペットに有害な成分が含まれているものが多いです。
誤った取り扱いや防護具の着用を忘れると、体調不良や皮膚トラブルなどの問題を引き起こします。

的確に被害状況を把握するのが難しい

シロアリに生息環境や食性による被害が異なるため、素人では的確に被害状況を把握するのが難しいです。

シロアリは壁や木材の内部といった目に見えない場所に潜んでいます。
見落としがあると、薬剤の散布が不完全になってしまい、シロアリ被害を防げません。
また、シロアリが薬剤の危険を察知すると、警戒心を強くして別の場所に移動してしまいます。

自分でシロアリ駆除を行う場合は、シロアリ駆除業者の無料床下診断などを活用して、的確に被害状況を把握してから作業しましょう。

殺虫剤を使うと駆除しきれない可能性もある

シロアリの存在に気づいたとき、手近にある市販の殺虫スプレーで対処しがちですが、シロアリの種類によっては駆除しきれない可能性があるためおすすめできません。
もちろん、市販の殺虫剤がシロアリに効果がある場合もあります。

市販の殺虫剤には忌避効果のある成分が含まれているため、シロアリがそのまま逃げてしまうことが多いです。
シロアリは警戒心が強いため、一度逃してしまうと近所や別の場所で巣を作られるリスクがあります。

シロアリの駆除と予防はプロにお任せ!

シロアリによる被害は、家の今後を左右する深刻な問題です。シロアリの駆除と予防は、自分でもできると考えがちですが、プロの害虫駆除業者に任せた方が多くの利点があります。

そもそも、シロアリの駆除には専門的な知識が必要です。シロアリの種類を正確に見極めた上で、効果がある駆除方法を選ばなければいけません。
しかし、シロアリは人から見えない場所に住み着いたり、一度対処を間違えると警戒心を与えてしまったりするなど、素人が完全に駆除するのは難しいです。

プロの害虫駆除業者によるシロアリ駆除は、専用の機器や駆除技術を使って、床下などの対応しにくい場所にまで及びます。
また、予防まで対応してもらうことで、シロアリの再発生を阻止できます。

プロのシロアリ駆除方法

シロアリ駆除にはベイト工法とバリア工法の2種類があります。

駆除方法①ベイト工法

ベイト工法は、シロアリが好むセルロースと呼ばれる木材成分に、薬剤を混ぜた餌である「ベイト剤」を使用して駆除する手法です。
ベイト剤をベイトステーションと呼ばれる筒状のケースに入れ、家の外周を中心に一定間隔で設置します。
設置したベイト剤を巣に持ち帰らせて、巣を全滅させます。

ベイト剤は無臭の成分で作られており、薬剤の使用量が少ない毒餌です。
そのため、人間やペットへの影響が少なく、特殊な構造の家で実施しても、広範囲のシロアリを安全に駆除できます。

ベイト工法は、一般的に以下の流れで行われます。

  1. シロアリが発生している場所を確認する
  2. 家の外周に一定間隔でベイトステーションを埋める
  3. 月に1回定期点検を実施する
  4. 必要ならベイトステーション内の薬剤を補充する

ただし、ベイト工法だとシロアリを完全に駆除するまでに2〜3ヵ月程度かかります。
シロアリがベイト剤を発見し、巣に持ち帰ってもらう必要があるためです。
設置場所によっては、効果が見込めないリスクもあります。

また、薬剤を散布するバリア工法よりも費用が高額な場合が多いです。
定期的な点検も必要になるため、時間と労力がかかります。
既にシロアリの被害が進行している人には、向いていない駆除方法です。

駆除方法②バリア工法

バリア工法は、建物の周囲や基礎部分に直接薬剤を散布して、シロアリの侵入と繁殖を防ぐ方法です。
薬剤を散布すれば、駆除だけでなく予防も同時に行えます。

バリア工法の作業時間は、およそ3〜5時間程度で施工後すぐに効果が発揮されます。

また、バリア工法は一度行えば5年間はシロアリの侵入を防ぐ効力があります。
ベイト工法のように定期的な点検や契約更新が必要ないため、最終的には費用を抑えることができます。

バリア工法は、一般的に以下の流れで行われます。

  1. 床や壁の養生する
  2. シロアリの被害状況を確認する
  3. シロアリの侵入経路・木材の内部に薬品を散布する
  4. 清掃・原状復帰を行う

ただし、シロアリが家の内部に侵入していたり、壁内や床下などに巣がある場合は、建物に穴を開けるケースがあります。

また、バリア工法は散布する薬剤の量がベイト工法よりも多いため、家に薬剤の匂いが残る可能性があります。
薬剤の匂いが苦手な人や、家の中で作業をしてほしくない人には向いていません。

シロアリの予防方法

シロアリの駆除と予防は、セットで行いましょう。せっかくシロアリを駆除できたとしても、再度巣を作られてしまったら同じ対応をしなければいけません。

シロアリは湿度が高く、木材を多くある場所を好む傾向があるため、湿度の管理と不要な木材の撤去がシロアリの予防になります。

シロアリ駆除・対策の費用はどれくらい?

シロアリ駆除・予防の費用は、1坪当たりで6,000円~10,000円程度が相場になっています。
また、㎡の場合は1㎡あたり1,500~3,500円程度が相場です。

もちろん各社によって価格設定は異なりますが、相場より極端に安い業者には注意が必要です。
工事の質が落ちることはもちろん、当日に追加料金を請求されるケースや、何かあったときの保証を用意していない可能性があります。

まとめ

シロアリは見つけにくい害虫のため、早期発見が被害を最小限に抑えるカギになります。
床下や木材に異常を感じたら、すぐに対策を講じましょう。

しかし、知識がない状態では対処法を間違えて被害が拡大するおそれもあります。
そのため、シロアリ駆除を完璧に行いたい人は、一度プロの害虫駆除業者に相談がおすすめです。