カメムシの直接的な被害は決して大きなものではありませんが、独特の匂いは一度ついてしまうとなかなか簡単には落ちません。
そんなカメムシについて、このページではなぜ異臭を発するのかやカメムシの駆除方法を紹介します。

カメムシの生態

カメムシは、「ヘコキムシ」の別名があるように、触れることで悪臭を放つことが特徴です。
針状の吸収性をもつ口器が特徴で、植物から吸収する食植性タイプと、動物の体液を好む食肉性のカメムシがいます。

食植性のカメムシは人間に対して直接危害を加えることはありませんが、農作物には被害を及ぼします。
カメムシの被害を受けた農作物は、残念ながら生育不良となり、商品価値が低下します。

また、卵を産み付けることでさらなる大量発生を招くこともあるなど、人間の日常生活に支障をきたす行為に及びます。
カメムシは日本全国さまざまな場所で生息している、多くの人にとって身近な害虫です。

カメムシはなぜ臭い?

カメムシの放つ異臭は自分自身の身を守るためのものです。
中脚と後脚の間にある臭腺開口部からヘキセナールやデセナールなどのアルデヒド類を成分とする匂いを発します。
自分自身に危害が及びそうだと感じた時、あるいはカメムシ自身の思い描くような生態活動が行えない時には、異臭を発します。

カメムシが大量発生するのはいつ?どこ?

カメムシは真冬以外はほぼ1年中姿を見かけますが、最もその姿を見かけることになるのは秋です。
カメムシは寒さに弱い習性を持つため、冬が近づくと暖かい場所を探して動き始めるからです。

結果、カメムシたちが寒さを越えられる場所を目指して移動するため、人の目に触れる機会が多くなります。

カメムシの対策方法を紹介

カメムシは人間に対して直接的な被害を及ぼすことはありませんが、異臭のリスクは大きいです。
物によっては、異臭が取れずに処分せざるを得ない場合もあります。

カメムシの対策は以下の4つが効果的です。

  • 忌避剤の使用
  • 除草
  • 侵入経路をふさぐ
  • 防虫ネットで植物を守る

主に上記の方法について、詳しく紹介します。

忌避剤を使用する

カメムシが嫌う「忌避剤」を使用することでカメムシを近寄らせない対策があります。

カメムシはミントやハッカ油の香りが苦手です。
そこで、ミントを含んでいるハッカ油を網戸や窓に吹きかけておくことで、カメムシが嫌がり寄ってこなくなります。
ハッカ油はドラッグストアやスーパーなどで手軽に入手でき、水に混ぜてスプレーボトルで吹き付けると簡単です。
カメムシだけではなく、ゴキブリや他の害虫対策にもなるアイテムです。

決して永久的に効果が続くものではないため、定期的に吹き付けることが大切です。
その点でもスプレーは塗布しやすくなるのでおすすめです。

ただし、忌避剤はあくまでも「近寄りにくくする」もので、カメムシを駆除する効果はありません。
他の対策と合わせることで、より高い効果が期待できます。

また、忌避剤を使用する際には、換気を忘れないようにしましょう。

除草をする

カメムシは草を好むことから、除草も対策になります。

特に食植性のカメムシにとっては、栄養も吸収できる格好の場所なので、除草することでカメムシ対策になります。

ただし、カメムシは草だけではなく暖かい場所全体を好む傾向にあります。
草がない場所ではあっても、例えば洗濯物に付着することもあります。
そのため、除草だけではカメムシ対策としては不完全な場合もあります。

侵入経路をふさぐ

カメムシが侵入してくるであろう経路をふさぐことで、カメムシを近づけない手法です。
「侵入経路をふさぐ」となれば大げさに聞こえるかもしれませんが、カメムシの侵入経路は網戸、窓、エアコンのホースなどです。シロアリのように土の中からや、木材を食べて侵入してくることはありません。

網戸や窓同士の合わせ目、窓枠に市販されている隙間テープを張り付けるだけでも効果が期待できます。
また、隙間テープに先程紹介した忌避剤を塗布することで、より高い効果が期待できます。

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防虫ネットで植物を守る

防虫ネットを設置することで植物を守る方法が挙げられます。

カメムシは植物を好むため、植物を嗅ぎ付け、植物に付着します。
そこで防虫ネットが効果的です。

しかし、防虫ネットの網の目が粗い場合、侵入を許すケースもあります。
購入する場合はネットの網目の粗さを確認してから購入しましょう。

カメムシの駆除方法

カメムシを駆除する方法として、「逃がす」が挙げられます。

害虫駆除といえば基本的には殺処分ですが、カメムシの場合殺処分するとその場に異臭を残してしまいます。
カメムシの臭いは一度ついてしまうと取り切ることはなかなか難しいです。

そこでカメムシは異臭を放たれることのないよう、その場から去ってもらうか、あるいは異臭を発する前の段階で捕獲する方が有効になります。

ここではいくつか、カメムシの駆除方法を紹介します。

市販の殺虫剤を使う

カメムシの駆除には、市販されているカメムシ専用の殺虫剤か不快害虫用の殺虫剤を使用しましょう。
ドラッグストアやスーパーなどで手軽に購入できるアイテムで、シンプルに使用できるものなので誰でも実践が可能です。

ガムテープで捕獲する

ガムテープの粘着力を活かして捕獲する手法です。

ゴキブリホイホイのように、カメムシが飛来しそうなポイントの底面にガムテープの粘着面を上にして設置する手法か、あるいはガムテープそのもので包み込むかです。

カメムシを捕獲できる可能性は高いですが、捕獲したその瞬間に異臭を放つ傾向にあるため、異臭被害を受ける可能性があります。

ペットボトルで罠を作る

ペットボトルを工夫し、罠を作って捕獲するよう導く手法もあります。

ペットボトルの上部3分の1ほどカットし、経口部を下に向けます。カットしたペットボトルの残りの部分を合わせて固定するだけのシンプルなものですが、直接カメムシに触れずに捕獲が可能です。

なぜこのようなシンプルなペットボトルが罠になるかというと、カメムシは危険を察知した際、下に逃げる習性があるからです。

ただし、ここでも驚かせてしまうと異臭を放つので、カメムシに悟られない形でペットボトル内に捕獲するようにしましょう。
1個だけではなく、いくつも作成するのも効果的です。

ティッシュで捕獲する

原始的ではありますが、カメムシはティッシュで捕獲もできます。

ただし、この方法は他の方法と比べるとカメムシが悪臭を放つリスクが高いです。
さらにはティッシュの薄さによっては自らの手にカメムシの異臭が付着するリスクがあります。

掃除機で吸い込むのはNG!

掃除機でカメムシを吸い込む手法はおすすめできません。
捕獲したカメムシが掃除機の中で異臭を発することで、掃除機から異臭が取れなくなる可能性が高いです。

既に死亡している大量のカメムシを掃除する場合には効果的ですが、生きているカメムシの駆除に掃除機の使用は控えるようにしましょう。

【番外編】カメムシはなぜ洗濯物を好む??

洗濯物に付着しているカメムシを発見し、不快に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、洗濯物に付着するカメムシが多いのは偶然ではありません。

原因は「色」と「温度」

カメムシが洗濯物を好む理由として、まずは色です。
カメムシは白色を好む傾向があります。
洗濯物の中には、白い物も多いのではないでしょうか。

さらに、お伝えしたようにカメムシは寒さが苦手です。
そのため、暖かい場所を好みます。洗濯物は、多くが日差しの当たる暖かい場所に干します。

つまり、洗濯物はカメムシにとっては、「白く」て「暖かい」カメムシが好む環境となっています。
結果、洗濯物に付着しているカメムシを見かける機会が多くなります。

まとめ

カメムシの対策についてを紹介しました。
カメムシは農作物のように、直接的な被害をもたらしますが、多くの人にとっては匂いによる間接的な被害が深刻です。
なかなか異臭が取れず、結局は衣服を捨てざるを得ないケースも少なくありません。

しかしカメムシの特徴を把握することで、対策を立てることもできます。
自分自身での対策も可能ではありますが、それでも難しい場合は専門の業者に依頼することも選択肢の一つです。