お風呂場に発生した、赤やピンク色のカビを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

赤カビという名のカビで、スポンジでこするだけでもすぐに落とすことができますが、繁殖が早く、2日ほどでまた発生してしまいます。

ここでは、赤カビの原因や健康への影響、そして効果的な掃除方法を詳しく解説します。

赤カビとは?

排水口の赤カビ

赤カビは、「ロドトルラ」という酵母菌の一種で、湿気の多い場所や水回りで発生します。

見た目は赤やピンク色で、一般的お風呂場やキッチン、洗濯機のゴムパッキンなどに見られます。

赤カビの特徴

赤カビは成長速度が早く、湿気と栄養分が高い環境で急速に繁殖します。

また、赤カビを栄養源として、より厄介な黒カビが発生してしまう恐れがあります。

そのため、赤カビは見つけたらすぐに掃除するようにしましょう。

赤カビの発生原因

赤カビの発生原因は、主に以下のとおりです。

湿度

湿度が高い環境は、赤カビの繁殖に最適です。

とくに、梅雨時期や冬の暖房による結露が多い時期には、赤カビが発生しやすくなります。

掃除が不足している

蛇口の頑固なカルキ汚れ

定期的な掃除を怠ると、赤カビが発生しやすくなります。

赤カビは、水あかやせっけんカス、皮脂などを栄養源とします。

特に見えにくい場所や手が届きにくい場所は、清掃が行き届かないため、赤カビの温床です。

通気性の悪さ

お風呂場やキッチンなど、通気性が悪い場所は湿気がこもりやすく、赤カビの成長が早くなります。

赤カビが発生しやすい場所

赤カビは湿気の多い環境を好む微生物で、特に以下の場所で発生しやすくなります。

お風呂場

お風呂にあるカビ

お風呂場は常に湿気が多く、せっけんカスや皮脂がたまりやすいため、赤カビの温床です。

タイルの目地やシャワーカーテン、バスタブの縁などが特に汚れやすい箇所です。

お風呂場の掃除については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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キッチン

キッチンの蛇口

シンク周りや水切りラック、排水口など、常に水が使われる場所は赤カビが発生しやすいです。

湿度が高く、食べ物のカスや油汚れが赤カビの栄養源となり、赤カビの成長を早めてしまいます。

また、シンクや排水口は定期的な掃除が怠られることが多く、カビが繁殖しやすい環境が整っています。

洗濯機

ドラム式洗濯機

洗濯機のゴムパッキン部分や洗剤投入ケース周辺も注意が必要です。

洗濯機内部は湿気がこもりやすく、ゴムパッキンには洗剤や柔軟剤の残りカスがたまりやすいため、赤カビが発生しやすい場所です。

特に、ドラム式洗濯機は湿気がこもりやすいため、定期的な清掃を心がけましょう。

窓枠

結露

結露が多い窓枠やサッシ部分も注意しましょう。

特に冬場は室内と外気の温度差により結露が発生しやすく、赤カビの成長を早めます。

また、窓枠は掃除が行き届きにくい場所であるため、カビの発生が見逃されやすいです。

カビが健康に与える影響

体調不良

赤カビを放置すると、その赤カビを栄養源に黒カビが発生する恐れがあります。

黒カビには、以下のような健康被害を引き起こす可能性があります。

アレルギー反応

カビの胞子を吸い込むと、アレルギーを引き起こす可能性があります。

くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、喉のかゆみといった典型的なアレルギー症状が現れます。

呼吸器系の問題

黒カビの胞子は、喘息や気管支炎の症状を悪化させることがあります。

特に免疫力が低下している人や子供、高齢者にとっては深刻な影響を及ぼす可能性があります。

皮膚炎

カビに直接触れることで、皮膚に炎症やかゆみが発生する場合があります。

感染症

免疫力が低い人や体力が低下している人は、カビに感染するリスクが高くなります。

赤カビの効果的な掃除方法

クエン酸スプレーを使う

クエン酸スプレー

酸性であるクエン酸は、赤カビを効果的に分解します。

塩素系漂白剤を使用する

塩素系漂白剤は強力な除菌作用があり、赤カビを取り除けます。

重曹ペーストを利用する

 

重曹と水を混ぜてペースト状にしたものを赤カビ部分に塗り、数分置いてからブラシで擦り、水で洗い流します。

厄介な黒カビの取り方

漂白剤を持つ手

赤カビは簡単に落とせますが、黒カビが繁殖した場合は清掃にコツが必要です。

ここでは黒カビが繁殖してしまった場合の掃除方法を紹介します。

カビを落とすために必要なもの

黒カビのカビ取り作業には、以下の道具を用意しましょう。

  • ゴム手袋
  • マスク
  • スポンジまたはブラシ
  • キッチンペーパーまたは古布
  • ビニール袋(ゴミ用)
  • 市販のカビ取り剤or塩素系漂白剤or重曹

カビ取り作業を行う際は、カビの胞子を吸い込むことを防ぐために、必ずゴム手袋とマスクを着用し、換気の良い場所で作業しましょう。

カビ取りの手順

ここでは、カビ取りの手順をいくつか紹介します。

1. カビ取り剤を使用する方法

アルコールと掃除道具
カビ取り剤をスプレーする

カビが生えている部分にカビ取り剤を均等にスプレーします。

スプレーする際は、ゴム手袋とマスクを着用し、換気を十分に行ってください。

窓やドアを開けて、風通しを良くして作業を行いましょう。

放置して浸透させる

スプレー後、5〜10分ほど放置して、カビ取り剤がカビにしっかりと浸透するのを待ちます。

製品によっては放置時間が異なる場合があるため、使用説明書を確認してください。

カビをこすり落とす

スポンジやブラシを使って、カビをこすり落とします。

頑固なカビには硬めのブラシを使用すると効果的です。

ブラシの毛先がカビにしっかりと届くように注意してこすります。

十分に洗い流す

カビを取り除いた後、十分に水で洗い流します。

カビ取り剤の成分が残ると再びカビが発生する可能性があるため、しっかりと洗い流しましょう。

乾いた布で拭き取る

最後に乾いた布で拭き取り、残った水分を取り除きます。

完全に乾燥させることで、カビの再発を防げます。

2. 塩素系漂白剤を使う方法

塩素系漂白剤
漂白剤を希釈する

漂白剤を水で1:10に希釈します。

希釈することで効果を維持しながら安全性を高めます。

ゴム手袋とマスクを着用し、換気を行いながら作業を行ってください。

漂白剤をスプレーする

希釈した漂白剤をカビにスプレーします。

スプレーする際は、対象箇所に均等に行き渡るように注意しましょう。

放置して浸透させる

5〜10分ほど放置しますが、漂白剤は強力なので長時間放置しすぎないように注意しましょう。

使用説明書を確認し、適切な放置時間を守りましょう。

カビをこすり落とす

スポンジやブラシを使ってカビをこすり落とします。

頑固なカビには硬めのブラシを使用すると効果的です。

十分に洗い流す

カビを取り除いた後、十分に水で洗い流します。

漂白剤が残ると素材を傷めることがあるため、しっかりと洗い流しましょう。

3. 自然素材を使う方法

重曹
重曹とクエン酸水の使用

カビに重曹を振りかけ、その後クエン酸水をスプレーします。

しばらく放置してからブラシでこすり、十分に水で洗い流します。

クエン酸水の酸性と重曹のアルカリ性がカビに対して効果的です。

重曹ペーストの使用

重曹と水を混ぜてペースト状にし、カビに塗ります。

しばらく放置してからブラシでこすり、十分に水で洗い流します。

重曹の研磨作用がカビを効果的に取り除きます。

自家製カビ取りスプレー

酢と水を1:1の割合で混ぜたスプレーや、過酸化水素水(3%)を使うことも効果的です。

カビにスプレーし、しばらく放置してからこすり洗いし、最後に水で洗い流します。

頑固な黒カビを徹底的に落とすならプロへ依頼がおすすめ

赤カビは比較的落としやすいのに対して、黒カビは根を張るため頑固です。

そんなときは、プロのクリーニング業者に依頼することをおすすめします。

プロのクリーニング業者は、専門的な知識と高性能な機材を持っており、それらを駆使して徹底的に清掃します。

また、プロの技術によって壁やタイルなどの素材を傷つけずに清掃できるため、安心して依頼できます。

赤カビの予防策

 

頑固な黒カビを予防するためにも、赤カビの発生を事前に予防することが重要になります。

ここでは赤カビを防ぐための効果的な予防策を紹介します。

換気を良くする

浴室換気扇

湿気を防ぐために風呂場やキッチンは使用後に換気を行い、湿気を取り除きましょう。

特にお風呂場では、シャワーや入浴後に窓を開けるか、換気扇を30分以上回すと効果的です。

また、ドアやカーテンを閉めないようにして、湿気がこもらないようにしましょう。

定期的な掃除

赤カビが発生しやすい場所を定期的に掃除しましょう。

特に風呂場のタイル目地やシャワーカーテン、キッチンのシンク周りは週に1度程度の掃除を心がけます。

タイル目地にはブラシを使ってしっかりとこすり、シャワーカーテンは取り外して洗濯機で洗うこともおすすめです。

クエン酸スプレー

重曹スプレー

クエン酸は酸性のため、カビの成長を抑える効果があります。

水500mlにクエン酸小さじ2を溶かしてスプレーボトルに入れたものを使用しましょう。

週に1度、赤カビが発生しやすい場所にクエン酸をスプレーし、しばらく放置してからブラシで軽くこすり、水で洗い流します。

最後に乾いた布で拭き取って水気を残さないように注意しましょう。

湿気取りグッズの使用

風呂場やキッチンなど湿気がたまりやすい場所には、湿気取りグッズを置くことも有効です。

除湿剤やシリカゲルなどの湿気取りグッズを設置することで、湿度を下げ、カビの発生を抑えます。

温度管理

赤カビは湿気と同時に温度の高い環境でも繁殖しやすいです。

お風呂場やキッチンの温度を適切に管理し、必要以上に高温にならないようにしましょう。

例えば、風呂場では入浴後にお湯を冷ますためにシャワーで冷水を流し、温度を下げるとカビの繁殖を防げます。

まとめ

赤カビは、見た目が悪いだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす厄介な存在です。

しかし、適切な掃除方法と予防策を実践することで、赤カビを効果的に除去し、再発を防ぐことができます。

頑固な黒カビはプロの清掃業者に依頼して、根本から除去することをおすすめします。

この記事を参考に、安全で効果的な掃除方法と防止策を取り入れて、快適な生活環境を維持しましょう。