「古くなったエアコンを買い替えよう」と思ったのに、業者から『設置できません』と断られてしまった…。
そんな予想外のトラブルに直面し、困っている方もいるのではないでしょうか。
最近は建物の構造や設置条件の影響で、新しいエアコンが取り付けできないケースも増えています。
この記事では、買い替えできない理由や対処法、今、使っているエアコンを快適に使い続ける方法を紹介します。
エアコンが「買い替えできない」ってどういうこと?よくあるケース
「買い替えできない」という状況には、さまざまな理由があります。
以下は、現場でよく見られる代表的なケースです。
配管スペースが足りない
新しいエアコンの配管は、太さや長さが現在のものと異なる場合があります。
壁の穴の位置や大きさ、天井裏や壁内のスペースが合わないと、配管を通せず設置不可となってしまうことがあります。
室外機が置けない/設置場所に制限がある

新機種の室外機はサイズや排気方向が異なるため、バルコニーの形状や周囲の建物との距離次第で「設置できません」となることがあります。
電圧や専用回路が合わない
最新の高性能モデルでは、200V専用回路が必要になることもあります。
古い建物だと100Vのみ対応で、電気工事が大規模になる=コストが高くなる=断念せざるを得ない、という流れもあります。
賃貸物件で工事NG/オーナーの許可が下りない
壁の穴開けや配線の変更などが発生する場合、管理会社や大家さんの許可が必要です。
許可が取れないと工事自体ができないことも。
大型モデルからのサイズダウンが難しい
古いエアコンは容量が大きく、同じ冷暖房能力を持つ新機種がサイズアップしている場合もあります。
小型機では能力の不足で使えず、大型機は入らない…というジレンマになることも。
買い替え前に知っておきたい3つのチェックポイント
新しいエアコンを検討する際、設置できないトラブルを避けるために事前に確認しておきたいポイントがあります。
これらを押さえておけば、業者に断られるリスクを減らし、無駄な時間やコストを防ぐことができます。
新しいエアコンのサイズ・重量を確認する
設置スペースに収まるか、壁の強度や天井高も含めて業者とよく相談しましょう。
新しい機種の外形寸法を、今の設置位置と比較しましょう。幅・高さ・奥行きに余裕がないと、壁や天井・カーテンボックスなどと干渉して取り付けできないことがあります。
配管や電源の再利用が可能かどうか
今のエアコンの配管や電源を流用できるかどうかで、工事の難易度と費用は大きく変わります。
既存の配管(冷媒管/ドレン管)をそのまま流用できるかどうか、径(太さ)や長さ・曲がり具合を確認しましょう。
流用できないと、新たに配管を引き直す工事が必要になり、費用が増えるケースがあります。
設置条件が変わっていないか確認する
築年数やリフォーム状況により、建物の電気容量や室外機の設置ルールが変わっている可能性もあるため要注意です。
室外機の設置ルールや周囲スペースの制限が変わった可能性もあります。
都市部では条例・建築規格の変更で設置条件が厳しくなっている例もあります。
無駄な時間や手間をかけないためにも、先にチェックしておくことが大切です。
「設置できません」と断られたときの選択肢
万が一、買い替えが物理的に難しいと分かった場合でも、対処法は何点かかあります。
別の業者に相談してみる
業者によって技術力や取り扱う施工方法に差があります。ある業者では「設置不可」と言われても、別の業者なら対応できる場合があります。
例えば、配管ルートの工夫や特殊な金具の利用で設置できるケースもあるため、一社の判断だけで即決せず、複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。
リフォームで対応する
物理的に設置が難しい場合でも、軽微なリフォームで解決できることがあります。
- 壁に新たに配管穴を開ける
- 室外機の置き場所を変更する
- 専用コンセントや200V回路を新設する
- といった対応で設置可能になることもあります。
もちろん追加費用はかかりますが、長期的に考えると買い替えを断念するよりメリットが大きいこともあります。
窓用エアコン・ポータブル冷風機を検討する

どうしても壁掛けエアコンを設置できない場合は、代替冷房機器の利用も選択肢になります。
- 窓用エアコン:窓枠に取り付けるタイプで、工事不要。狭い部屋や一時的な利用に適しています。
- ポータブル冷風機:移動可能で、スポット的に冷やしたいときに便利。ただし、冷却力や静音性は通常のエアコンに劣ります。
冷房力は落ちますが、部屋の広さや用途によっては十分実用的です。
今、使っているエアコンを延命する
最も現実的な方法が、現在使用中のエアコンをメンテナンスして延命することです。
- フィルターや吹き出し口の掃除
- プロによる分解洗浄
- 劣化した部品の交換
これらを行うことで、冷暖房の効きが改善し、電気代の無駄を減らせる可能性があります。
特に、内部にホコリやカビがたまっているだけで性能が大きく落ちることがあるため、買い替え前にまずクリーニングを試すのも賢い選択です。
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