飲食店の換気扇(レンジフード)は汚れが気になっても、掃除が難しいものです。

この記事では、業務用換気扇の掃除方法や業者に清掃を依頼した場合の料金相場を紹介します。

「業務用の換気扇の汚れが気になる」、「プロに掃除を依頼したらどのくらいの金額がかかるのだろうか」などお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

業務用換気扇(レンジフード)の構造

清掃された業務用換気扇

業務用換気扇は、「排気ダクト」「防火ダンパー」「チャンバー」「グリスフィルター」「フード」という部分から成り立っています。

それぞれの役割や注意点は以下のとおりです。

排気ダクト

排気ダクト

排気ダクトは、調理時の煙を外部に排気するためのもので、厨房内の空気を清潔に保つ役割を担っています。
油汚れがダクトに溜まると通気性が悪くなり、効率が低下するだけでなく、火災の原因にもなります。

そのため、定期的な清掃が必須です。

特に、油が固まりやすい部分や曲がり角の部分は汚れが蓄積しやすいため、念入りな清掃が必要です。

防火ダンパー

防火ダンパーは、排気ダクトにつながって設置されており、火災発生時に重要な役割を果たします。
ダクト内で火災が発生した場合、プレートが自動的に閉じて厨房側へ炎が逆流するのを防ぎます。

しかし、かなり奥に設置されているため清掃が非常に難しく、油汚れが蓄積するとプレートが閉じなくなる危険性があります。

チャンバー

チャンバーは、グリスフィルターを取り付ける設置枠のことです。
この部分も油汚れが付着しやすく、特に清掃が難しい箇所です。

厨房によって設置場所や形状が異なるため、清掃方法も異なります。
適切な清掃を行うためには、チャンバーの構造を理解し、専用の清掃道具や洗剤を使用することが重要です。

定期的な清掃を怠ると、フィルターの効果が低下し、排気効率が悪化する可能性があります。

グリスフィルター

グリスフィルターは、換気扇の表部分に設置されているフィルターで、調理中の煙に含まれる油汚れが排気ダクトに入って火災を起こさないようにする役割があります。
このフィルターは油を捕捉するために設計いるため汚れやすく、定期的に取り外して洗浄する必要があります。

グリスフィルターが詰まると、排気効率が低下し、換気扇の動作に支障をきたします。
交換可能なタイプもあるため、汚れがひどい場合は新しいフィルターに交換することが推奨されます。

フード

フードは、調理中に出る煙や臭いが厨房内に広がらないよう設置されたものです。

通常、厨房で使うコンロや炭焼き場の上に設置されており、煙や臭いを効率よく吸い込む役割を果たします。
フードの表面も油汚れが付着しやすいため、定期的な拭き掃除が必要です。

また、内部の清掃も忘れずに行いましょう。
フードの内側に油汚れが溜まると、換気効率が低下するだけでなく、火災のリスクも高まります。

飲食店の業務用換気扇は掃除しないと危険

飲食店にある換気扇は、掃除を怠るとさまざまなリスクがあります。
ここでは、換気扇を掃除せずにそのままにしておく危険性について紹介します。

異臭が発生する

調理中に発生する煙は、油が含まれています。

この油が換気扇内に付着し、ホコリ、カビなどと混ざると異臭が発生します。
そうした異臭が起きないよう、定期的に換気扇を清掃することが大切です。

運転効率が落ちる

ファンに汚れが溜まっている換気扇は、運転効率が落ちてしまいます。
さらに、フィルターに汚れが溜まっている場合、煙の吸い込みも悪くなるので厨房が煙たくなってしまう可能性もあります。

最悪の場合火災が発生する

業務用換気扇の油汚れが蓄積されると、調理中の煙の吸い込みが弱くなり、その奥のモーターに負荷がかかります。

もしモーター部分に火花が発生し、その火花が油汚れに引火してしまうと、最悪の場合火事が起きてしまいます。
定期的な掃除を必ず行うようにしましょう。

業務用換気扇清掃を依頼する場合の相場

業務用換気扇清掃を業者に依頼した場合、料金は4万円~が目安です。

ただし、レンジフードの大きさや汚れ具合、レンジフードの数量によって料金は変動します。
トラブルを避けるため、必ず見積りをとりましょう。

飲食店清掃に関しては、こちらの記事にて詳しく解説しております。
業務用換気扇だけでなく、店全体の清掃を検討の方は、ぜひあわせてご覧ください。

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業務用換気扇(レンジフード)の清掃内容

業務用換気扇清掃前後

ここでは、業務用換気扇の清掃内容を紹介します。
業務用換気扇の清掃手順は以下のとおりです。

  1. 養生
  2. 分解
  3. つけ置き
  4. 洗浄
  5. 拭き上げ
  6. 取り付け
  7. 動作確認

それぞれ詳しく見ていきましょう。

養生をする

レンジフード周辺に汚れが飛び散らないよう、養生をしていきます。
また、養生をすることで、落下物でキッチンに傷がつくのを防ぎます。

分解作業

フードカバー、グリスフィルター、ファンなどの取り外すことのできるパーツをすべて取り外していきます。

つけ置き作業

取り外した部品を、専用の洗浄液につけ置きします。

業務用換気扇についた汚れは主に油脂です。
この汚れをつけ置きで浮かせていきます。

この時、つけ置きで使用する洗剤はアルカリ性の洗剤やセスキ炭酸ソーダがオススメです。
油汚れの状態がひどい時には、つけ置き時間を長くしましょう。

ステンレスフード洗浄

部品をつけ置きしている間に、ステンレスフードの洗浄を行います。
固まって層になっている頑固な油汚れには、専用のスクレーパーで落としていきます。

こびりついたアメ状の黒い汚れが落ちたらスプレータイプの洗剤をかけ、汚れを浮かせ、吹き上げます。

つけ置きしていた部品を洗浄

ステンレスフードの洗浄が完了したら、つけ置きしていた部品を洗浄していきます。

つけ置き液に浸した状態でブラシを用いて擦ってみて、油汚れがするりと落ちるか確認しましょう。
油汚れが簡単に落ちる場合、そのまま洗浄液の中でブラシで部品の油汚れを落としていきます。

油汚れが落ちにくかった場合は、つけ置き時間をのばし、再びブラシで擦って汚れを落とします。

拭き上げ・取り付け

つけ置きしていた部品の油汚れをすべて落としたら、柔らかい布で水滴が残らないよう完全に拭き上げていきます。
拭き上げが完了したら部品をすべて元の場所に取り付けます。

動作確認

すべてのパーツを取り付けたら、最後に動作確認を行います。
問題なく換気扇が動く事を確認し、清掃終了です。

業務用換気扇(レンジフード)の清掃を業者に依頼するメリット

レンジフード清掃前と清掃後業務用換気扇の清掃を自分で行うのは難しいため、業者に依頼を検討している方もいると思います。
ここでは、業務用換気扇の清掃をプロに依頼するメリットを紹介します。

メリット①自分で清掃しても届かない場所の汚れまでピカピカになる

業務用の換気扇は、内部構造が複雑です。

そして、業務用換気扇を徹底的に掃除するためには、分解作業が必要です。
自分で分解できる範囲には限界があるため、自分で掃除する場合はどうしても手が行き届かない部分が出てきてしまいます。

プロに業務用換気扇の清掃をお願いした場合、市販では購入できないオリジナルの洗剤や道具を用い、自分では手の届かない位置までキレイにします。

メリット②自分の労力がかからない

業務用換気扇の清掃をいざ自分でやろうとすると、非常に重労働です。

「臭いがきつい」、「時間がかかる」、「汚れが思うように落ちない」など、労力や時間に応じた掃除結果が出にくいのが難点です。

業者にお願いすれば、自分で労力を使わず、換気扇をピカピカにできます。

業務用換気扇(レンジフード)の掃除が必要なタイミング

業務用換気扇の清掃頻度は、基本的に半年に1回が目安です。

ただし、飲食店の規模や形態によって清掃頻度は異なります。
調理に油を多用する中華料理店や、揚げ物を多用する飲食店は、油汚れがレンジフードにつきやすくなり、より高頻度で清掃が必要です。

また、現時点で「レンジフードから油がしたたり落ちている」、「油の跡がレンジフード下の壁についている」などの様子が見られる場合、なるべく早く清掃してください。
換気扇の油汚れを放置すると、最悪の場合火災を招く原因にもなるため、非常に危険です。

まとめ

換気扇の清掃は複雑な構造で、かつ分解して清掃する手順も多く労力が大きい作業なのでプロに依頼するのがおすすめです。

業者に清掃を依頼することで、徹底した分解清掃や洗浄が行われ、長期間にわたって換気扇の性能を維持出来ます。

また、火災や事故から身を守り安全な職場環境を保つことにもつながります。
業務用換気扇をキレイに保ち、快適な調理環境で過ごしてくださいね!