エアコンの掃除中や点検中に、うっかり小物を落としてしまった経験はありませんか?
「雑巾」「ティッシュの切れ端」など、エアコン内部に異物が入り込むと、故障や火災の原因にもなりかねません。
今回は、エアコンの中に物が入ってしまったときのNG行動、安全に取り出す方法、放置するリスクなどについて詳しく解説します。
絶対にダメ!エアコンに物が入ったときのNG行動
誤った対処は、異物のさらなる侵入や故障を招くだけでなく、感電やケガのリスクを高めます。
次のような行動は避けましょう。
コンセントを抜かずに作業する
エアコン内部には高電圧がかかっており、電源が入っていなくても感電のリスクがあります。
作業前には必ずコンセントを抜いてください。
無理に棒や工具を突っ込む
定規やハンガーなどを使って無理やり異物を取り出そうとするのは危険です。
部品を傷つけたり、異物をより奥へ押し込んでしまうことがあります。
分解を試みる
知識のない状態での分解はおすすめできません。
特に送風ファンや熱交換器など、繊細な部品にダメージを与えると修理費が高額になります。
自分でできる!物を取り出すための安全な手順
エアコンの中に物が入ってしまったとき、自分で取り出すには正しい手順を踏むことが重要です。
以下のステップを順番に実行すれば、リスクを抑えながら安全に対応できます。
手順①:必ず電源を切る・コンセントを抜く
まず最初に行うべきことは、エアコンの電源を完全に遮断することです。
リモコンで停止するだけでは不十分なのでコンセントを抜くか、可能であればブレーカーを落としましょう。
これにより感電や機械トラブルのリスクを避けられます。
手順②:フィルターと前面パネルを開けて中を確認する
次に、フィルターカバーや前面パネルを開けて異物の位置を目視で確認します。
多くの場合異物はフィルターの裏や吹き出し口の手前などに引っかかっていることが多く、ここで見つかれば比較的簡単に取り出せます。
手順③:手が届かない場合は掃除機を使う
異物が奥に入り込んでいる場合は、細いノズルを取り付けた掃除機を使用して吸い出す方法が有効です。
ただし、強すぎる吸引力や無理な操作は部品の破損につながる可能性もあるため、慎重に行いましょう。
手順④:吹き出し口からライトで内部を確認する
異物がフィルター裏では見つからない場合、吹き出し口から内部をライトで照らして確認します。
異物がファンに絡んでいるときは無理に取り出さず、状態を確認するまでにとどめるのがベストです。
ファンや基板周辺は繊細なパーツが多く、触れることで破損のリスクがあります。
放置するとどうなる?エアコンに物が入ったままのリスク
エアコン内部に異物が入ったまま放置すると思わぬ故障や健康被害、火災リスクにつながることもあります。
特に以下のようなリスクが考えられます。
ファンやモーターに負荷がかかる
エアコン内部の送風ファンに異物が接触していると、運転中に「カラカラ」「ゴロゴロ」といった異音が発生する場合があります。
こうした異音は不快感だけでなく、モーターやベアリングに負荷をかけます。
最悪の場合はファンが壊れたりモーターが焼けて動かなくなってしまうことがあります。
そうなると修理費が高くつくため、早めの対応が大切です。
電気系統のトラブル
特に注意したいのが金属片や水分を含む異物が基板や配線周辺に入り込んだ場合です。
これらは電気回路にショートを引き起こし、故障を引き起こす可能性があります。
さらに発煙や発火につながるリスクもあるため、非常に危険です。
異臭・カビの原因になることも
異物が入り込んだまま放置するとエアコン内部の湿気と相まって、カビの温床になる可能性があります。
これにより、運転中に酸っぱい臭いやカビ臭が部屋中に広がることも。
さらにこうした臭いのもととなるカビや雑菌はエアコンの風とともに空気中に拡散され、アレルギーやぜんそくなど呼吸器系への悪影響を引き起こす原因になることがあります。
エアコンのカビを防止する方法についてはこちらの記事で紹介しています。